Sally's High Tension

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尼崎列車脱線事故…【2005.05.12】
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    あの時はずっとテレビの報道に見入っていました。悲惨な事故でした。あの2日前にも快速電車に乗ってその現場を通っていたし、何よりも私の実家から1キロ足らずの所だけに、他人事ではないような感覚もありました。

    先日、飲み屋で酔っ払いが、
    「知事がテレビに出ていたけど、市長は何しとるんや!」 と…。報道されていないからといっても、市も見えないところで市長をはじめ多くの職員が頑張っていることを伝え、それ以上その人とは会話をしませんでした。
    またある職員は、
    「他の市の消防職員ばっかりテレビに出てるから、尼崎市は何もやってないように思われたら辛いなぁ…」 と。テレビの影響力は怖いと痛感していました。

    報道を見ていて感じたこと…。そして今も感じていること…。それは『過剰報道』。

    最初は、いかにも未熟運転士、とも取れる報道。まだ原因もはっきりしない間からそんな報道がされていました。どのテレビ局も…。報道関係者は、あの『松本サリン事件』 で何を学んだのだろう…。

    それにJR関係者に異常なまでに詰め寄る記者。確かに、JR西日本側にもいろいろと問題があるのは誰もが周知のこと。しかし、裁く役目はあんたではないだろう、と言いたくなってくる。ボーリングや飲み会。確かにひんしゅくを買う行為だとは思うが、重箱の隅をほじくりかえすような執拗な攻撃的報道にも、私はうんざりしてきた。

    日本Sという会社の統制のとれた救出活動と対比するように、現場を去っていった運転手やその上司の指示に憤りを感じるのは当然のこと。しかし、そこまで言うか?と思える報道。それなら報道関係者も、何故カメラを置いて救出しなかったんだろう、と言いたくなってくる。車が足りない時、何故報道の自動車やヘリを使わなかったのだろう、と。

    報道は、事実を知らせる。どう思うかは視聴者側に任せる。それでいいのに…。イラクで捕虜になった人がパッシングを浴びたのも、仕掛人は報道だった。松本サリン事件のときも、やはり報道のあり方を問われたはずだ。今、現場で働くJR西日本の職員に向けられた嫌がらせや暴行は、ある意味、報道が煽った反動でもあると思えるのだ。

    以前、飲み友達だった東通のディレクター(今は亡くなられたが)から聞いた話だが、「NEWS23」のニュースキャスターであるTTが阪神大震災の被災地・神戸を取材に来た時のこと。取材を終えて東京に帰るとき、カメラマンたちに、
    「いい絵が取れたよ」 と喜んで帰っていったそうだ。そのカメラマンたちもみんな被災者なのに『いい絵』 とは…。無神経にもほどがある。

    また、震災直後のあるテレビ局は、無残な映像の合間に楽しげなCMを流していた。これも単に『いい絵』 を流していたに過ぎなかったのかと思いたくなる。

    が、所詮、報道の世界はそうしたものなんだろう。テレビは視聴率を稼げる映像を、新聞などはスクープを。それが自分たちに課せられた任務なのだから必死になるのも分かるが、それと今回の運転手が1分30秒を挽回しようとしたことと、根本的なところで何か通じるものがあるような気がするのは私だけなんだろうか…。

    こうした過剰報道やJR西日本の体質を見ていると、要するに日本人の誰もが持っている問題じゃないのだろうか、と思えて仕方がないのである。1つ大きなニュースがあるとみんな一斉に飛びつき、報道は視聴者を煽り、それを見た視聴者は報道が押し付ける考えをあたかも自分の考えかのように、そこらじゅうで評論家気取りで談じている。

    悪いことは、全員が悪い、こととなり、体質論を論ずる。しかし、もしそれが日本人の体質だとしたら、JR西日本だけでなく、大阪市職員だけでなく、NHKだけでなく、三菱自動車だけでなく、社会保険庁だけでなく、日本人の全てが悪い体質ではないのだろうか。いいことをすれば個人を称え、悪いことがあればその組織全体を悪く思う。それも日本人の体質の1つだと思う。

    大切なことは、起こった事実を認知し、悪いことは繰り返さないための努力を、いいことはそれが広まるための努力をする。特に影響力の大きい報道は、いくら報道の自由があるからといって、想像で判断したり、人を裁いたり、結果を焦って求めたり、ある固定観念を植え付けたり、と『報道の体質』 も問われてしかるべきだと思うのだが…。

    もし、今回の事故の遺族の方たちや知り合いを亡くされた方たち、また報道関係者やその関連の方たちで、このページをご覧になられて不快な思いをされたとしたら、深く陳謝します。

    ただ、私が言いたかったのは、誰が悪い、ということをすぐに言いたがる『日本人の体質』 を忘れて、特定の個人や企業を云々するのは、いかがなものか、と。それでは学校で行われている『イジメ』 と何ら変わりないと思うのである。体質改善を求められているのは日本人全体だと思うのは言い過ぎなのだろうか…。

    最後に、私の考えに対していろいろとご意見やご批判を持たれる方もおられるとは思いますが、この件で議論する意思は毛頭ありません。ある方からのご質問にお答えしたまでのことなので、どうかお聞き流しいただければ幸いです。

    亡くなられた方のご冥福を心よりお祈りし、この惨事が将来、きっと役立つことを願っております。

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